ヒバカリから寄生虫!

飼育を始めて、なんとか2年持ちこたえることができた。2年間のヒバカリ飼育生活の中でもっとも驚いたのが、水槽内で寄生虫を発見したこと。本来、野生のヘビには寄生虫がいる確率が高いといわれていて、以前捕まえてきたアオダイショウのベビーにも皮下線虫が寄生していたのを見たことがある。

ヒバカリの水槽で見た寄生虫は、以前捕まえてきたアオダイショウに寄生していたとても長い糸のような皮下線虫ではなく、長さ6~7センチほどの細いミミズのような、もしくは短いハリガネムシのような回虫だった。

寄生虫に感染した原因

調べてみたところ、ヒバカリ飼育者でこの寄生虫を発見したことがある人が数人いた。それらの情報を集めると、ヒバカリを自然のなかで捕まえてきて、既に寄生虫に寄生されていたケース、もしくは田んぼなど湿地帯で捕まえたオタマジャクシやカエルといった生物を、生きたままヒバカリの餌として与えたことによるものであると推測される。

思い返してみると、ヒバカリに与えている餌は、スーパーで買ってきた刺身、公園の雑木林で捕まえてきたドバミミズ、湿地帯のメダカのほかに、田んぼ周辺で捕まえてきたアマガエルとそのオタマジャクシ、ヌマガエルとそのオタマジャクシ、ヒキガエルのオタマジャクシ等がある。

エサのあげ方対策

寄生虫を目の当たりにするまでは、できる限り自然に近い形で生きたままの新鮮な餌を食べさせるのが良いと思っていたのだが、無駄に寄生虫を増殖させてしまう危険等を考えるとあまり良いとはいえないのだろう。寄生虫を発見して以降、オタマジャクシやカエルを与えるときはなるべくビニールやラップなどで密封して、最低でも二日間以上、冷凍庫に入れて凍らせてから、それを解凍して与えるようにしている。(※どこかで見たのだが、魚の寄生虫はマイナス8度で凍らせることで死滅することができる、また、以前に発見した寄生虫をそのまま別の容器に置いておいたところ乾燥して死んでしまったため冷凍して乾燥させるのが効果的かと勝手に思い込んでいる)
ちなみに厚生労働省のアニサキスによる食中毒を予防しましょうのページには事業者あてに予防方法として「冷凍してください。 (-20℃で24時間以上冷凍)」と載せられている。

家庭にある冷凍庫で冷凍すれば絶対安全とは言えないし何でも冷凍すればよいというわけではなく、同じ種類のヘビでも、なんでも食べる奴やグルメな奴、生きている餌しか食べない奴、ある日突然拒食を起こして何も食べなくなる奴といった具合に、生息していた環境や個体によって対策・対処の仕方が変わってくるので、そこは飼育していく中で餌のやり方を変えていくしかない。

生きたままのカエルを餌としてあげたい場合は、野生のカエルではなくCB個体を活き餌として販売しているところもある。種類はツメガエル、ヌマガエル等がある。

寄生虫対策として投薬

爬虫類に寄生する線虫や条虫を駆除するための方法として、メトロニダゾールやフェンベンダゾールといった駆虫薬がある。ヒバカリから出てきた寄生虫は回虫と思われるのでフェンベンダゾールを何日かに分けて数回投与するやり方になるのだろうか。しかし、駆虫薬には骨髄抑制(こつずいよくせい)、腸陰窩(ちょういんか)の壊死(えし)など毒性の報告もされているため、ここら辺は間違うとヘビの命を落としかねないので、獣医師の指導の元で行なったほうがよい。
寄生虫対策として薬を使って逆に死んでしまうこともあるためバランスが必要。寄生虫は宿主である蛇と共生して生きていることが多く、寄生虫すべてが悪ではないということも押さえておきたい。駆虫薬によって生体に副作用を与えてしまう可能性もあるため、病原性が無い寄生虫や病原性が弱い寄生虫ならばヘビと共生できるので無理に駆虫はしなくてよい。

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